不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 帰国後、私たちはすぐにお互いの家族に結婚を報告した。するとこの時を待ち望んでいた家族たちは私たち以上に張り切り、結婚の話を進めていった。

 多忙な私たちに代わり、結婚式場の手配から参列者の選定までしてくれたのだ。

 そして大翔からプロポーズされてからわずか半年後。私は純白のウエディングドレスを着て、兄とともに教会のドアの前に立っていた。

「なんか今日まであっという間で、結婚式を挙げるって実感が湧かない」

「なに言ってるんだ、こんな感動的な場面で」

 まだ入場もしていないというのに、すでに兄は大号泣していた。

見かねたリングボーイとガールをお願いした幸助と愛華が、兄の足をトントンと叩く。

「パパ、しっかりして」

「しなさい!」

 ふたりに言われ、ますます兄は涙が止まらなくなる。

「ふたりもこんなに立派になって……っ!」

 だめだ、今日の兄はなにを言っても泣いてしまいそうだ。どうにか入場する前に泣き止んだ兄は、式場スタッフにティッシュをもらって鼻をかむ。

「よし、もう大丈夫だ」

「それはよかった」

 少しして教会の中からパイプオルガンの音色が聞こえてきた。そろそろ入場するかと思うと緊張がはしる。
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