不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「えっと……なんて言えばいいんだろう。べつにすごく嫌って感じなかったし、緊張せずに普段通りに話せたかな?」

 そういえば大翔が最初から素で話してくれたからか、私もいつの間にか自然体で話すことができていた。

「そうか。……うん、そっか! 第一心象にしてはよかったってことだな」

「え!? あー……そう、なるのかな?」

 イラッときたけど、そこまで嫌悪感を抱かなかったし、それはつまり印象がよかったに入る? いや、でも話が噛み合わなくて、なにより向こうは私をからかって楽しんでいたよね? そんな人の印象がいいとは言えないのでは?

 頭の中でグルグルと考えていると、兄は勢いよく立ち上がった。

「大翔なら桜花のことを安心して任せられるけど、それでももしなにか嫌なことがあったらすぐに俺たちに言えよ? 俺もばあちゃんも雪乃も、みんな桜花の幸せを願っているんだからさ」

「お兄ちゃん……」

 最後に兄は照れくさそうに「ちょっと気が早いけど、今から桜花の花嫁姿を楽しみにしているよ」なんて言って、足早に去っていった。

「花嫁姿って……気が早すぎるよ」
< 35 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop