不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 疲れていないか、無理していないか。変な客はいなかったかなどなにかと気にかけてくれて、労いの言葉もかけてくれた。

 私の夢を応援すると言ってくれたのは本当のようだ。それが嬉しかったのかな? だからこんなにも大翔からの連絡が途絶えて落ち込んでいる自分がいるのだろうか。

 考えても答えが出ず、お風呂に入ってからも布団で横になってからも、ずっと大翔のことばかり考えていた。


 次の日は祖母も店に立ってくれたが、忙しない一日となった。

「はぁ、歳には勝てないね。昔は一日中店に立っていても腰など痛くならなかったというのに」

 腰をとんとんと叩きながら話す祖母に、売り上げの計算をしながら兄は「ばあちゃん、いくつだと思ってんだよ。自分の歳を考えろ」なんて言う。

「まぁ、なんて冷たい孫だろうか。そんなんじゃいつか雪乃さんに愛想を尽かされるよ」

「縁起でもないこと言わないでくれよ」

 ふたりのやり取りに笑いながらも商品を片づけていると、店のドアが開いた。

「すみません、本日は閉店いたしまして……」

 間違ってお客様が入ってきたと思ったものの、言葉が続かなくなる。

「え……大翔?」

 店に入ってきたのはスーツ姿の大翔だった。

 一週間ぶりに会った大翔は、私を見るなり顔を綻ばせた。

「久しぶり、桜花。元気だったか?」
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