不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 連絡が途絶えて心配になったり、些細な言葉に嬉しくなったり好感を抱いたり。これらすべてがそうじゃないかな。

 でもまだ出会って一週間くらいしか経っていないのに、これほど早くに恋に落ちるものなの?

 しかも相手は結婚したいと言いながらも、私に恋愛感情を抱いていなそうなのに。

 色々と考えていたらそれは顔に出ていたようで、大翔はクスリと笑った。

「なにをそんなに難しいことを考えているかわからないけど、着いたぞ」

「え? ここって……」

 大翔が車を停めたのは、ベリが丘駅近くにあるツインタワーのロータリー。先に車から降りた彼はまた紳士にドアを開けてくれた。

 手を差し伸べられ、まるでお姫様になった気分になる。

「どうぞ。着物じゃ降りづらいだろ?」

「……ありがとう」

 慣れていないエスコートに照れ臭さを感じながら車から降りる。すぐに駆け寄ってきたスタッフに彼は車の鍵を預ける。

「ここのレストランを予約したんだ」

「レストランって……」

 たしかツインタワーのレストランはVIP専用だった気がする。

 思い出している間も大翔さんは私の手を引いて歩を進めていく。ロビーを抜けて高層階専用のエレベーターの呼び出しボタンを押した。
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