不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「だから私はもっと着物文化を世界中に広げたいと思っているの。幸いなことに海外の人に興味を持たれているけれど、着物って本当に奥が深いから、それも含めて知ってほしくて」

「そうだな、今は日本の古き良き文化が消えつつあるから、国内で継承していくことはもちろん、多くの国の人たちに広めていくことで、着物文化を残そうって動きも活発になりそうだ」

「……うん、そうなの」

 同じ話を友人たちにしたことがある。でも、みんなどこかで無理な夢じゃない?といった感じで聞き流されてきた。

「今は海外でもよく着物の展示会をやっているんだろ? 桜花も行ったことがあるのか?」

「もちろん! 去年、おばあちゃんと一緒に出店してきたんだけど、海外の人の反応って本当に新鮮ですごく楽しかったし、もっと知ってほしいと思ったんだ」

「海外の人は少なからず着物に憧れがあると思う。展示会で着物の歴史についても広められるといいな」

「それ、いいアイデアだよ」

 唯一家族は真剣に私の話を聞いてくれて、応援してくれている。でも実際になにをどうすれば、私がやりたいことが叶うのかを模索しているところだった。

 それが大翔に話を聞いてもらったことで、少しわかった気がする。なにも一から全部自分でやらなくてもいいんだよね。
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