不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 展示会を利用して広めていくことだってできるんだ。今度、展示会に参加する時は歴史をまとめた冊子を作ってみようかな。

 もちろん日本語だけじゃなく、英語バージョンも一緒に。

「ありがとう、大翔。なんかすごく未来が切り開けた気がする」

 嬉しくて素直な思いを伝えると、大翔はクスリと笑った。

「桜花の役に立ててなによりだよ。……桜花の夢が叶うように応援しているから頑張れ」

 優しい眼差しを向けられて放たれた一言に、かあっと身体中が熱くなっていく。

 え、なにこれ。どうしてこんなにドキドキしちゃっているわけ?

 自分の感情なのに、なぜなのかわからなくて困惑する。

「さて、と。そろそろ帰ろうか」

「あ……うん、そうだね」

 先に立ち上がった大翔に続いて立ち上がろうとした時、大きな手が差し伸べられた。

「着物じゃ立つの大変だろ?」

「大丈夫だよ? 慣れているし」

 それに、まだ胸のときめきが落ち着いていない状態で手なんて握れないよ。

 そのまま立とうとするより先に、大翔が私の手を掴んだ。

「それはないだろ?」

「え? わっ!?」
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