不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
手を引かれて立ち上がったものの、身体がふらつく。前のめりに倒れそうになった私を彼はしっかりと支えてくれた。
「悪い」
ほのかに鼻を掠めたのは、爽やかなフレッシュライムの香り。
「こっちこそごめん」
恥ずかしい気持ちが一気に高まって慌てて離れ、平静を装う。
「帰ろうか」
とにかく今の自分の恥ずかしいくらい真っ赤になっているであろう顔を見られたくない一心で、先頭を切って部屋を出た。
しかし却ってこの言動のおかげでバレバレなのか、背後からはクスッという笑い声が聞こえてきた。
「そうだな、帰ろう」
すぐに大翔は私の隣に肩を並べ、強引に手を握った。
「え? 大丈夫だよ?」
平坦な廊下なのだから、転ぶことはないのに。その思いで言ったが、大翔は「鈍いなぁ、桜花は」なんて言う。
「どういう意味?」
大翔の言いたいことが理解できなくて聞き返す。
「好きな人には、いつだって触れていたいと思うものだろ?」
「悪い」
ほのかに鼻を掠めたのは、爽やかなフレッシュライムの香り。
「こっちこそごめん」
恥ずかしい気持ちが一気に高まって慌てて離れ、平静を装う。
「帰ろうか」
とにかく今の自分の恥ずかしいくらい真っ赤になっているであろう顔を見られたくない一心で、先頭を切って部屋を出た。
しかし却ってこの言動のおかげでバレバレなのか、背後からはクスッという笑い声が聞こえてきた。
「そうだな、帰ろう」
すぐに大翔は私の隣に肩を並べ、強引に手を握った。
「え? 大丈夫だよ?」
平坦な廊下なのだから、転ぶことはないのに。その思いで言ったが、大翔は「鈍いなぁ、桜花は」なんて言う。
「どういう意味?」
大翔の言いたいことが理解できなくて聞き返す。
「好きな人には、いつだって触れていたいと思うものだろ?」