不本意ですが、天才パイロットから求婚されています～お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました～【極甘婚シリーズ】

「今日はまた一段と綺麗だね、桜花ちゃん」

「そんな……」

　毎回思うのだけれど、こうもストレートに褒められた時にどんな反応をすればいいのか困る。

「お前もそう思うだろ？」

　次の上杉のおじさまは後ろにいた男性に声をかけた。その男性は部屋に入ってきて真っ直ぐに私を見る。

　目が合った彼は一五五センチの私が見上げるほどだから、一八五センチ以上はあるのではないだろうか。スラッとしたモデルのような体系で黒のスーツがとてもよく似合っている。

　清潔感のある短めの黒髪は綺麗にセットされていて、整った顔立ちをしていた。切れ長の瞳を真っ直ぐに向けられると、なぜか恥ずかしくて顔が熱くなってしまう。

「おい、なにか言ったらどうだ？　それとも桜花ちゃんがあまりに綺麗すぎて言葉を失っているのか？」

　からかい口調で言う上杉のおじさまにギョッとなる。

　きっと彼は返答に困っていたのに、さらに困惑させるようなことを言わないでほしい。だって私は悲しくなるほど平凡な容姿をしているもの。体系だって人並みだし、唯一誇れるところといったら、くっきり二重瞼の目くらいだ。

　そんな私を綺麗だと言ってくれるのは、上杉のおじさまくらいだと思う。

　自分で思って悲しくなる中、初めて彼が口を開いた。