不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 じゃあ雪乃さんも今の私のように兄の気持ちを疑い、悩んだってことだよね。

「私も雪乃さんのように、大翔の気持ちが信じられる日がくるんでしょうか?」

「それは大翔君の頑張り次第じゃないかな。私の場合は栄臣が疑う余地もないほど気持ちを伝えてくれたから、もう信じないって選択肢がなかったかも」

 サラッと惚気る雪乃さんに苦笑いしてしまう。最初は兄の一方的な想いだっただろうに、今は雪乃さんも負けず劣らず兄への愛がすごい。

「それに桜花ちゃんも信じられないなら、まずは大翔君のことを知ることから始めてみたらどうかな? そうすれば大翔君が本気か本気じゃないのかわかるでしょ?」

「そうかもしれませんね」

 もっと同じ時間をともにして彼のことを知ればわかるのかもしれない。

「だけどまぁ、私としては悩むってことが答えだと思うけど」

 悩むことが答え、か。たしかに惹かれていない相手だったら、こんなにも悩むことはないはず。じゃあもう私はすでに大翔のことが好きなのだろうか。

 頭の中で自問自答をする私を見て、雪乃さんはクスリと笑った。
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