不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「今までだったら、飛行機を見ること自体が怖くて、乗るなんて考えられなかったのに」

 それだけ私の傷は癒えたということ。もう少ししたら克服して乗ることもできるかな。

 その時、大翔にかけられた言葉が頭をよぎる。

『人生は長いんだ。いつかきっと飛行機に乗れる日がくる』『その時は俺が世界中、どこへでも桜花の行きたいところに連れていってやる。だから諦めるな』

 そうだよね、諦めたらだめだ。いつかきっと乗れると信じて少しずつ苦手を克服していこう。まずは空港に行ってみるのもいいかも。

 今まで一度も行ったことがなかったし、近くで多くの飛行機が飛び立つ瞬間を見たら、少しは苦手意識も薄まるかも。

 少しの時間空を見見上げていると、外国人観光客がやって来て私はすぐに英語で対応に当たった。

 十一時を過ぎた頃、宮本様が来店されて兄が接客に当たる。ちょうどお昼時ということもあって、客足が少なくなって一息つくことができた。

 かんざしや髪飾りが売れて品薄になっていることに気づき、商品を補充していく。するとひとりの女性客が来店した。

「こんにちは」

 すぐに声をかけて女性のもとへ駆け寄る。
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