『愛のため、さよならと言おう』- KAKKO(喝火) -12/10頃よりしばらくの間非公開とさせていただきます。
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◇霊視
あれは百子が伸之に交際を申し込まれ付き合い初めてから
8か月目頃だったろうか。
まだ正式なプロポーズは受けていなかった。
年が明けて正月気分が抜けた頃、久しぶりに学生時代の親友と
街に繰り出した日のこと。
前々からよく当たるという霊能のある占い師さんに霊視してもらいたいから
付き合ってほしいと友人、友沢優子から頼まれて一緒に付いて行ったことがあった。
当日、私たちは夕暮れ時に現地に着いた。
神戸三宮にはたくさんの占い師がいるようで素敵な雰囲気の店を構えているらしいと
聞いていたが友人の向かった先は屋根のない、はっきりいうと
街の路上の一角で視ている女性だった。
結婚は2年後にチャンスがあると占われ、ホクホク顔の優子。
15分で3000円。
安いのか高いのか、それは鑑定を受ける人間が決めるものだろう。
「優子、良かったね」
「うん、視てもらってよかったわ」
私たちが背中を向けて歩き出そうとした時、鑑定士の女性から
呼び止められた。
「友沢さんのお友だちの方、待ってくれませんか」
「私ですか?」
「ええ。お名前教えて」
「秋野、秋野百子です」
「秋野さんのことをお話させていただいていいかしら」
「えっ、お話って?」
「今お付き合いしている方のことです」
「いえ、私は占いは……ごめんなさい、結構です」
「いえ、お代は結構なんですよ。
実はあなたの為でもあるけれど、わたくしの為でもあるのでぜひ。
それとわたくしの話を聞いていただけるなら友沢さんの分の料金も
不公平になるので返金させていいいだくわ」
『百子ぉ、話聞かせてもらえば』
優子が囁いた。
「はい、じゃあ、お願いします」
「さっきからあなたの後ろに付いてる複数人の強い力のある守護霊さまたちから
言われてしまって。
あなたにちゃんと伝えれば、わたし自身の霊能力もさらに強くしてくれるそうで
……断り切れませんでした」
「私の守護霊様方が……。ソレハシツレイシマシタ」
「今お付き合いされてる方いらっしゃいますよね?」
「はい、まぁ」
『えーっ、百子そんな人いつの間に』
優子が羨望を込めて静かに騒ぐ。
◇霊視
あれは百子が伸之に交際を申し込まれ付き合い初めてから
8か月目頃だったろうか。
まだ正式なプロポーズは受けていなかった。
年が明けて正月気分が抜けた頃、久しぶりに学生時代の親友と
街に繰り出した日のこと。
前々からよく当たるという霊能のある占い師さんに霊視してもらいたいから
付き合ってほしいと友人、友沢優子から頼まれて一緒に付いて行ったことがあった。
当日、私たちは夕暮れ時に現地に着いた。
神戸三宮にはたくさんの占い師がいるようで素敵な雰囲気の店を構えているらしいと
聞いていたが友人の向かった先は屋根のない、はっきりいうと
街の路上の一角で視ている女性だった。
結婚は2年後にチャンスがあると占われ、ホクホク顔の優子。
15分で3000円。
安いのか高いのか、それは鑑定を受ける人間が決めるものだろう。
「優子、良かったね」
「うん、視てもらってよかったわ」
私たちが背中を向けて歩き出そうとした時、鑑定士の女性から
呼び止められた。
「友沢さんのお友だちの方、待ってくれませんか」
「私ですか?」
「ええ。お名前教えて」
「秋野、秋野百子です」
「秋野さんのことをお話させていただいていいかしら」
「えっ、お話って?」
「今お付き合いしている方のことです」
「いえ、私は占いは……ごめんなさい、結構です」
「いえ、お代は結構なんですよ。
実はあなたの為でもあるけれど、わたくしの為でもあるのでぜひ。
それとわたくしの話を聞いていただけるなら友沢さんの分の料金も
不公平になるので返金させていいいだくわ」
『百子ぉ、話聞かせてもらえば』
優子が囁いた。
「はい、じゃあ、お願いします」
「さっきからあなたの後ろに付いてる複数人の強い力のある守護霊さまたちから
言われてしまって。
あなたにちゃんと伝えれば、わたし自身の霊能力もさらに強くしてくれるそうで
……断り切れませんでした」
「私の守護霊様方が……。ソレハシツレイシマシタ」
「今お付き合いされてる方いらっしゃいますよね?」
「はい、まぁ」
『えーっ、百子そんな人いつの間に』
優子が羨望を込めて静かに騒ぐ。