口に甘いは腹に毒
一瞬不健全な想像が頭を通りすぎる。
いやまぁ、すぐにフォークの捕食欲のことだと気付けたよ?
そっか。那由多先輩、家にも内緒にしてるんだ……。
つまり知ってるのは、剣先輩とわたしと玉露くんだけ?
「だから、苹果もむやみに広めないようにな。玉露は仕方ないとして」
「と、当然です……!」
わたしの場合、伝える可能性のある人にはもう言っちゃってる。
玉露くんにも伝えようかな……。しないとは思うけど、一応。
……言っても、大丈夫だよね?
那由多先輩の話を信じるなら問題ないはず。
でも、どうしても──。
『……、抱き締めてほしい』
あのときみたいに心配させて、不安にさせて、苦労をかけたくない。
玉露くんのことを守れたらって、思っちゃった、から。