口に甘いは腹に毒
ご飯を食べながら、考える。
わたしと玉露くんの関係は変わってない。
ただ、強烈な違和感は確実にあって。
それってやっぱり、那由多先輩が現れたことに起因している気がした。
「玉露くん……あの、那由多先輩のことなんだけど」
「『那由多先輩』?」
「あ、」
ピリ、と空気が張り詰める。
……今ね、わたし。
初めて自分から那由多先輩の話題を出したの。
玉露くんが敵視してたから、不快な気持ちにさせたくなかった。
でも、デートしたことを悪く捉えなかったり、一緒にいるところを見られても引き剥がされなかったり。
那由多先輩に関する言動が変化するのを見た。
わたしみたいに印象が覆って、好意的に感じてるのかなと思ったんだ。
──違った。
これ……だ。わたしが求めていたものに近いリアクション。