口に甘いは腹に毒
わたしのために微笑まれたときには、外の寒さなんて飛んでいってしまう。
那由多先輩が……わたしを、好き。
そんなことあるの?
こんなかっこよくて、モテそうで、優しいし。
勘違いするなって言い聞かせてたのに。
「わかったか?」
「……ほ、本気、ですか? 味わえるケーキがほしいだけじゃなくて?」
「なるほど、わかってなかったか」
「あ、いやっ……」
ただの確認だったんだけど、信じてないって言ったのと同じか。
じゃあ、言うべきなのは率直な感想かな……。
「……嬉しいです」
求められてるものと違うんだろうけど、その他はまだ感じられない。
でもね、嬉しいんだ。嫌ではない。
早急に答えを出すんだとしたら、良い返事は無理かもしれない。
じっくり考える時間をくれるなら……。