口に甘いは腹に毒

 那由多先輩がわたしの頭を撫でる。むず痒かったけど、大人しく受け入れた。



「味に関しては剣が教えるんだから、自信を持てばいい」

「……はいっ」



 剣先輩をチラ見する。ね、こういってくれるんだから、心配いらないですよ。

 心なしか柔らかい表情になった剣先輩に、こっそり親指を立てた。


 作り方はメモに残したし、一人で完璧にできるようになったら……。



「玉露に『美味しい』と言ってもらえたらいいいな」



 考えていたことを見抜かれる。

 さすが那由多先輩だな、と口元が緩んだ。

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