口に甘いは腹に毒

 そんな顔もするんだ……。



「……なに、その反応。なにされてるかわかってるの?」

「へ……、わっ……あ、」



 足元が宙を浮く。軽々持ち上げられていた。

 ソファーに降ろされ、上から玉露くんが被さってくる。



「っぎょく、ひゃ、ぁ……う」



 首筋を舌が這い、ぞくぞくと背中に痺れが走った。

 力も入らないし、頭も回らない。

 心臓だけがやけに早くて、痛いくらいだった。


 口にキスされたよ。誰より安心できる場所だった玉露くんに。

 わかってるよ。わかってるけどっ……。



「……まってよ、おねがい……っ」



 玉露くんの首に腕を回した。

 なにされたかわかるけど、なんでされたかがわかんないよ。

 もっと深く、玉露くんのこと教えてほしいよ……。

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