口に甘いは腹に毒

 僕に好かれようと必死で健気な苹果ちゃん。

 僕が他の人と仲良くしていると寂しそうにする苹果ちゃん。

 そんな彼女が可愛くて、放っておけなかった。


 彼女には僕が必要で。

 僕がいないと何もできなくて。

 僕だけが、彼女を不幸から救ってあげられる。


 ドロッとした粘性のある感情が次から次へと溢れ出す。

 気がつけば、僕の方が彼女に好きでいてもらおうと必死になっていた。



 僕のこの想いを恋心と表せるなら、どれだけ可愛いものか。

 こんなの──独占欲と執着がないまぜになった、醜い感情だ。



 だから隠してきたのに。

 全てが水の泡。

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