口に甘いは腹に毒
謝ったって何にもならないけど、それ以外に誠意の伝え方がわからない。
「本当に、すみま……」
だからもう一度謝罪を述べようとしたところ、
『玉露と何かあったんだな?』
見事に遮られた。
相変わらず、なんでもお見通しだな。
『何かというか……まぁ、方向性はなんとなく想像できる』
「……はい」
ふう、と息の吐く音が聞こえて。
『時間を変更だ。今からそっちに行く』
「……、……え!? ちょっ」
待って──という言葉は届かず。
気付けば画面に、通話の終了した証明が映し出されていた。
……うそ、どうしよう。
直接話す心構えが済んでない。
ぼーっとしてても意味ないから、とりあえず顔を洗って身だしなみだけでも整える。
なんて話そう。
玉露くんがフォークだったって……言ってもいいのかな。