口に甘いは腹に毒





 玉露くんが過保護なのはまあまあ昔からで、もはや第二の保護者って感じだ。

 わたしの危機感のなさが起こしたこととはいえ、まさかさらに過剰になるとは……。


 どきどき腕がぶつかる距離の横並び。さりげなーく隙間を空けたら秒でバレて縮められる。

 文句を言おうにも、わたしのためというのがわかっているので言い出せない。

 そんな調子で二人、教室に足を踏み入れた。



「お、瀬戸(せと)来た。おはよー」

「うん。おはよう」



 ドアのすぐ近くにいた男子が玉露くんへ挨拶する。



白亜(はくあ)さんも、おはよ」

「あっ、おはよっ……!」



 わたしにもしてくるけど、まぁおまけ程度だ。

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