口に甘いは腹に毒





「だから、一応謝ってはもらえたんだけど……」



 昼休みになってようやく玉露くんと話し合える。

 授業の合間に話そうとしても、短くて全然時間が取れなかったからね。



「なるほどね……。僕はさ、あの人について足止めされながら色々と聞かされたよ」



 いわく御鏡 那由多先輩は、大金持ちの御曹司だそうで。

 生まれ持った権力や本人の能力、性格から『皇帝』と呼ばれているらしい。

 正直、違和感のない呼び名だ。最初に王様みたいだなと思ったのも、間違いではなかった。


 そして従者みたいな人も実際に御鏡家の使用人なんだって。

 ここまで第一印象と実際の立場にブレがないのもすごいよ。

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