口に甘いは腹に毒
……まずい。
いや、ピーマンのことではなく。ピーマンのことでもあるんだけど。
そうじゃなくて……。
今までのちりつもで、さすがの玉露くんもわたしを見放しつつあるんじゃ……?
たら、と首筋に冷や汗が伝う。
不安で舌に意識が向かなくなって、味がわからなくなった。
無事に空になったお弁当箱に視線を落としながら、必死に頭を回転させる。
玉露くんに捨てられる前に、なんとか、好感度を取り戻す方法……。
「ぎょ、玉露くん……今日、一人で帰ってもらってもいい?」
「え? うん……」