口に甘いは腹に毒


「苹果もなかなかだった。玉露の荷物を取りに行くスピードとかな」

「いやっ、逆にそれぐらいしか貢献できなかったのが申し訳ない限りでっ……」



 こんなにも自分が無力だとは思わなかった。

 玉露くんの体調が悪くなった理由に、わたしも関係してるんじゃないかな……。毎日ご飯作ってもらったり、心配かけたり、負担が大きかったと思うし……。

 わたしも……自立しなきゃいけないのはわかってるんだけど……。


 せめてお見舞いをちゃんとして、玉露くんの心を休ませたい。

 決意するわたしの隣で御鏡先輩がスマホに目を落とした。



「ん。帰る前に病院へ連れていっていいかと聞かれた。そうしろ、と返しておくな」

「そっ、そこまでっ……!?」

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