口に甘いは腹に毒


「ありがとうございます。でも、買い物していこうかなって思ってるので大丈夫です」

「それも連れていく」


「そこまで迷惑かけられないです!」

「迷惑じゃない。いいから、行くぞ」



 強引に腕を取られてしまう。

 ここで抵抗してまで拒否するほど、遠慮の気持ちはなかった。


 御鏡先輩と接すればするほど、最初の印象が嘘みたいに覆っていく。

 ただ、彼はケーキなわたしを自分のものにしたいから優しくしてくれてるだけ。

 そこを履き違えちゃいけないよね。


 あんまり素直に受け止めてたら、痛い目見るに決まってる……。

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