口に甘いは腹に毒


「玉露くんただいまっ、体調どう!?」



 玉露くんの部屋に突撃する。

 薬で熱は下がったと聞いていたけど、体は万全じゃないはずだ。

 ベッドで横になっている様子を想像しながら足を踏み入れたら、



「おかえりー」



 勉強机に向かい、ノートを広げる玉露くんがいた。

 全然安静にしてない。



「な、なにしてるの……?」

「今日の授業のノート書いてるよ。写真送ってもらったから」

「そんなの、わたしが見せるのに……」



 ていうか見せようと思ってた。だからいつもより綺麗に書いたんだよ……。

 誰かに先を越されていたショックが襲う。

 玉露くんの友達は、わたしだけではないんだと身に染みた。

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