口に甘いは腹に毒


 でも! わたしには直接会ってお見舞いできるという強みがある!



「あのねっ、食欲あるかな!? 色々買ってきたんだけどっ……」

「うん。適当にあるものお腹に入れたから大丈夫」

「……」



 玉露くん……一人でなんでもできちゃう……。

 己の不甲斐なさに耐えられず、ペタンとその場に座り込む。

 玉露くんはノートを閉じ、こっちに来て目線を合わせてくれた。



「何買ってきてくれたの、見せて」



 そう言って袋の中身を覗く。

 スポーツドリンクとか、レトルトのおかゆとか、プリンとか……。



「……でもいらないんでしょ?」



 元々ほしいものはないって言われてたから、わたしのおせっかいではあるんだよ。

 それでもね……悔しい。

 玉露くんが頼ろうと思った相手に、わたしを一番に思い浮かべてくれないのが。

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