口に甘いは腹に毒

 玉露くんにとって、わたしは保護対象でしかないのかな。

 そりゃあね、頼り甲斐がないのはわかるんだよ。玉露くんが倒れたときも、あんまり力になれなかったわけだし。


 けど、信頼関係はわたしが一番築けてるって思ってる。

 どれだけ友達がいても、わたしが飛び抜けててほしかった。


 拗ねるわたしの頭を、玉露くんはふわりと撫でる。

 ……子供扱いだ。



「ううん。ありがとう、もらうよ」

「……機嫌取らせてごめん」

「違うって。ただ、僕は物をもらうより、苹果ちゃんが無事に僕のところへ来てくれるのが嬉しいんだよ」


「……ほんと?」

「うん。本当」



 柔らかく微笑む玉露くんを見つめる。

 わたしがいればそれだけでいい、みたいな意味だよね。


 ……それはそれで、なんか、嫌だな。

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