口に甘いは腹に毒
そんな感じで一人の時間を過ごし、昼食をカフェで済ましちゃった帰り。
「苹果?」
──ばったり御鏡先輩と出くわした。
いつもの使用人さんを隣に添えて。
御鏡先輩は周りを見渡し、玉露くんがいないことを知るや距離を縮めてくる。
う……! 今、デートしようって言われたら、断れないかも……!
「一人なのか?」
「そ、そうです……」
「俺が言うものなんだが、危ないぞ?」
御鏡先輩の表情は真剣そのもの。
あ……。
そうだ。そうだった。フォークに遭遇するかもしれない危機感、すっかり忘れてた。
「車じゃないからすぐ帰せないしな……」
真面目に考えてくれている。これが意識の違い。
それなのにわたしはデートだとか考えて、めちゃくちゃ恥ずかしい。