夏色の貝殻
数日後、私は美術部のコンクールに出すための絵を描こうと学校にやってきた。

「何してんの?」

空いていた窓から声をかけられた。

サッカー部のユニフォームを着た仁科先輩が立っていた。

「美術部のコンクールに出す絵を描いているんです。先輩も部活ですか?」

「あぁ、そろそろ試合が近いからな」

仁科先輩は、三年生で今年最後の試合だと言って張り切っている。

「試合勝てるといいですね」

「もちろん、優勝するつもりでいる。それで…」
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