カフェとライター ≪Backstory≫





ーSide 来ー

「…俺、今度1ヶ月密着することになったから」


今度発売の新曲のレコーディングでたまたま集まった時。ふと、さらっと報告された内容に、俺と、光はえ、と固まってお互い顔を見合わせた。

新も一瞬驚いた顔をしたけど、声は出さなくて。禅に関してはコーヒーのストローを咥えたまま、おぉって顔してた。

当の本人は俺たちの反応なんて気にせず歌詞の資料を読んでいて。

「え、」
「どうした…?何があった…?」

そんな驚く?みたいな顔してますけど。驚くだろそりゃ。だって…


TV番組でも、雑誌でも、「では、Loopを代表してどなたかコメント頂けますか?」なんて言われた日には戒李意外で誰が話す?って相談するのが当たり前なくらい

表に立つことないのに。元々1人でモデルやってた頃どうやってたんだ?って不安になるくらい。





芝居の仕事も増えてきて、大丈夫なのか…?とこっそり心配したくらいだ。でも意外とやろうと思えばできるらしい。事務所にあった、TV雑誌の特集を見れば、ちゃんとインタビューに答えてた。受けるしかないから受けたんだろうけど、内心嫌だったんだろうな…と心中お察しした。


そんな戒李が。密着だと…??しかも

「1ヶ月…?」

「うん」


正直もうレコーディングの話に入りたいかもしれないけど、こっちはそれどころじゃない。



数分のインタビューでも嫌そうなのに。(それを表には絶対出さないけど)



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