愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
ピンクブロンドの長い髪がふわりと靡き、あまり温度を感じさせないアーモンドカラーの瞳が私を真っ直ぐ射貫くように見つめる。
「何で貴女がその部屋から出てくるのですか」
ギロリと睨んでくるが、よく見ると真っ直ぐ向けられるその瞳が濃い色から淡い色へとグラデーションになっており思ったよりも温かそうなせいか嫌な感じはしなかった。
「なんでって言われても」
“私がリヒテンベルンから来た人質妻だってことを知らない人はいないわよね?”
ここは王城、しかも王太子が住んでいる区画。
そんな場所に入れる人間がその程度のことも把握していないとは考え辛い。
“それにこの瞳の色は”
「も、モニーク王女殿下……っ」
呟くようにそう言ったミィナがガタガタと震えながら後退る。
“モニーク王女って言ったらアルドの実の妹じゃない!”
目の前の女性の正体に一瞬呆けた私だったが、すぐに怯えているミィナの様子を思い出し慌てて彼女を背に庇った。
「何故ミィナがこんなに震えてるの」
「質問しているのは私です。何故貴女がお兄様の私室から出てきたのですか」
「何で貴女がその部屋から出てくるのですか」
ギロリと睨んでくるが、よく見ると真っ直ぐ向けられるその瞳が濃い色から淡い色へとグラデーションになっており思ったよりも温かそうなせいか嫌な感じはしなかった。
「なんでって言われても」
“私がリヒテンベルンから来た人質妻だってことを知らない人はいないわよね?”
ここは王城、しかも王太子が住んでいる区画。
そんな場所に入れる人間がその程度のことも把握していないとは考え辛い。
“それにこの瞳の色は”
「も、モニーク王女殿下……っ」
呟くようにそう言ったミィナがガタガタと震えながら後退る。
“モニーク王女って言ったらアルドの実の妹じゃない!”
目の前の女性の正体に一瞬呆けた私だったが、すぐに怯えているミィナの様子を思い出し慌てて彼女を背に庇った。
「何故ミィナがこんなに震えてるの」
「質問しているのは私です。何故貴女がお兄様の私室から出てきたのですか」