愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
第三章:次にするべきは

16.迷探偵?いいえ、名探偵だと思うのだけれど

 王女殿下といえば、社交界の咲き誇る花
 そんな中心人物であろう彼女を味方につけられたなら、これ以上心強いことはない。

 もちろん私のような例外的王女だっているだろうが、見たところそんなこともなさそうだ。

“それにやっぱり、アルドの妹だもの。仲良くしたいわ”

「彼女を落とす……こほん、味方につけるにはやっぱり彼女の悩みを解決して仲良くなるのが手っ取り早いと思うのよね」

 王女こその悩み。
 祖国では冷遇されていたとはいえ、私だってこれでも王女のはしくれなのだ。

 同じ目線で考えられるということはそれだけに強みがある。
 つまりこの作戦は勝ち確と言っても過言ではないだろう。

「そして私は王女の悩みに気付いてしまったのよ」
「え、お嬢様がですか?」

 私の発言に少し驚いたような表情になったミィナだが、すぐに何かを思い出し納得したように頷いた。

「昨日の彼女を見てすぐにわかったわ」
「まぁ、確かにわかりやすいといいますかみんな知ってるとも言えますもんね」
「えぇ、彼女は政略結婚に嫌悪感を抱いていた」
「そうですね」
「つまり、恋をするのが怖いのよ!」
「違いますね」
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