愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
いや、もしかしたら彼女を私の出迎えに指名した者から唆されてそう呼んだのかもしれない。
だからこそ人質という弱い立場の私がまさか名前を聞いてくるだなんて想定外だったはずだ。
どこか猫のような彼女が私を警戒し、なんて返答するべきか迷っている姿を私がただただじっと見つめていると、観念したのか渋々名前を教えてくれた。
「……ミィナと申します」
「ミィナね!」
パンッと両手を叩くと驚いてギュッと両目を瞑るミィナ。
「私、貴女を叩いたりしないわよ?」
一応そう伝えてみるが、その言葉すらどう受け取ればいいのかわからず戸惑っているようだったので、勢いに任せて彼女と手を繋ぐように右手を握った。
「ね? こうして手を繋いでおけば安心でしょ。ほら、早く案内して頂戴」
「え……、あ、はい」
“女の子の手って、こんなに柔らかいのね”
残念ながら私の手は剣だこのせいで柔らかさはあまりないので、彼女のその女性らしい手が少し不思議でついむにむにと感触を確かめてしまう。
そしてだからこそ、彼女のその柔らかい手が少しかさつき荒れていることにも気が付いて。
だからこそ人質という弱い立場の私がまさか名前を聞いてくるだなんて想定外だったはずだ。
どこか猫のような彼女が私を警戒し、なんて返答するべきか迷っている姿を私がただただじっと見つめていると、観念したのか渋々名前を教えてくれた。
「……ミィナと申します」
「ミィナね!」
パンッと両手を叩くと驚いてギュッと両目を瞑るミィナ。
「私、貴女を叩いたりしないわよ?」
一応そう伝えてみるが、その言葉すらどう受け取ればいいのかわからず戸惑っているようだったので、勢いに任せて彼女と手を繋ぐように右手を握った。
「ね? こうして手を繋いでおけば安心でしょ。ほら、早く案内して頂戴」
「え……、あ、はい」
“女の子の手って、こんなに柔らかいのね”
残念ながら私の手は剣だこのせいで柔らかさはあまりないので、彼女のその女性らしい手が少し不思議でついむにむにと感触を確かめてしまう。
そしてだからこそ、彼女のその柔らかい手が少しかさつき荒れていることにも気が付いて。