愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
初めてにしては、何かはわからなくても何かを描こうとしたことはわかる最低限のラインは超えているからだ。
「でも、この汚れはどうしようかしら」
惜しむべきは、真っ白だったハンカチが私の血でところどころ染まっているということである。
「……これをアルドに渡したら、どんな反応をするかしら」
「こ、これをお兄様にですか……!? そ、そうですわね、呪いの一種と思われるかと思いますが」
“呪い!”
驚愕の表情で大真面目にそんなことを言われ、私の方こそ表情が驚愕に染まる。
まさかそこまで酷いとは思わなかった私は、告げられたその真実に打ちのめされて思わず立ち上がった。
“完敗だわ……、流石アルドの妹、手強いじゃない”
心の中で勝者への称賛をしつつ、刺繍の道具をミィナに渡す。
「ちょっと疲れてしまったので、今日はこの辺で……」
眩暈を起こしそうになりながらふらふらと歩き出すと、慌ててミィナが私を支えてくれた。
「初めて刺繍したハンカチだから、アルドに渡そうと思っていたのに」
「でも、この汚れはどうしようかしら」
惜しむべきは、真っ白だったハンカチが私の血でところどころ染まっているということである。
「……これをアルドに渡したら、どんな反応をするかしら」
「こ、これをお兄様にですか……!? そ、そうですわね、呪いの一種と思われるかと思いますが」
“呪い!”
驚愕の表情で大真面目にそんなことを言われ、私の方こそ表情が驚愕に染まる。
まさかそこまで酷いとは思わなかった私は、告げられたその真実に打ちのめされて思わず立ち上がった。
“完敗だわ……、流石アルドの妹、手強いじゃない”
心の中で勝者への称賛をしつつ、刺繍の道具をミィナに渡す。
「ちょっと疲れてしまったので、今日はこの辺で……」
眩暈を起こしそうになりながらふらふらと歩き出すと、慌ててミィナが私を支えてくれた。
「初めて刺繍したハンカチだから、アルドに渡そうと思っていたのに」