愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
そして微笑み合う二人の様子に、彼女たちが互いに想い合っていることに流石の私も気付かされた。
だが、王女に婚約者はいない。
それはつまり、彼は『恋人』にしかなれないということ。
“身分……”
自分ではどうしようもないその問題。
だが王女という責務を果たすために、片想いで終わらせるつもりだというのだろうか。
聞いてみたい、と思った。
アルドの妹だからでも、私の義妹だからでもなく、同じ王女という立場に生まれ正反対に生きてきた彼女のその心の内側を。
そんな思いに引っ張られるように私は木から飛び降りる。
聞きたい、知りたい。
もっと彼女のことを――……
……そう思った私に、ビシッと畳んだ扇を向けた王女殿下は、「クリス、捕まえなさい」と無情にもクリストフ卿へ命令した。
「へっ!?」
その突然の命令に唖然とし、反応が遅れた私を痛め付けないよう細心の注意を払いながら拘束したクリストフ卿。
“な、なに!? どうなるの……!?”
だが、王女に婚約者はいない。
それはつまり、彼は『恋人』にしかなれないということ。
“身分……”
自分ではどうしようもないその問題。
だが王女という責務を果たすために、片想いで終わらせるつもりだというのだろうか。
聞いてみたい、と思った。
アルドの妹だからでも、私の義妹だからでもなく、同じ王女という立場に生まれ正反対に生きてきた彼女のその心の内側を。
そんな思いに引っ張られるように私は木から飛び降りる。
聞きたい、知りたい。
もっと彼女のことを――……
……そう思った私に、ビシッと畳んだ扇を向けた王女殿下は、「クリス、捕まえなさい」と無情にもクリストフ卿へ命令した。
「へっ!?」
その突然の命令に唖然とし、反応が遅れた私を痛め付けないよう細心の注意を払いながら拘束したクリストフ卿。
“な、なに!? どうなるの……!?”