愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
 眉尻を下げてそう口にしたアルドの声が想像以上に柔らかくてドキリとする。

“もしかして、さっき私が落ち込んでいたから?”

 もしかしてわざとだったのだろうか。
 痛くないように十分慣らし、深く落ち込む前に別のことに集中させる。

 そしていつもの私らしく振る舞えるように配慮し、だからこそ“私らしく”怒った姿を見て笑ったということなのだろうか。

「アルド……」

 これが彼なりの気遣いだとしたら――……

“いや、結構酷くない?”

 一瞬流されかけた私は、もう一度考え直してもう一度ギロリと睨んだ。

「どういう意図だったとしても、私は待ってって言ったのにっ!」
「今待ってるだろう?」

 それは確かにそうではある。
 彼はナカに挿入したまま、私の息がと整うまで動かずに待ってはくれてはいる、が。

「それにしたってだわ……!」
「ははっ、ん、怒ってるとこ悪いんだが、そろそろ俺も限界だ」
「ッ!」

 まだまだ文句が言い足りない私だったのだが、その苦しそうな表情にドキリとした。

“何よもう、自分勝手なんだから”
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