愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
 ――だが、リヒテンベルンからのスパイだったと思われたら?

 もちろん拐われたモニカが違うと証言すれば問題はないかもしれないが、その確認すらされずその場で斬り捨てられる可能性だってあるというのに。


「誰よりも早くセヴィーナたちを見つけるぞ」
「騎士たちには王太子妃殿下が絶対に向かっていない方を探しに出て貰いましょう」

 ダレアのその提案に頷いた俺は、帰ったら夜通し説教してやると心に誓いつつオロオロとしている侍女へと視線を向けた。


「この近くで最もロマンチックな場所はどこだ?」
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