愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
白い小花の群生地なのか、色が統一されているからこその美しさがそこにはあった。
彼女のピンクブロンドの髪がよく映える。
「あとは……ん、来たわね」
馬の蹄の音が遠くに聞こえた私は、ラオから王女と降りる。
“剣が手に入れられなかったのは痛恨の痛手なのよね”
今度騎士の訓練に参加した時に余っている剣がないか聞いてみようかしら。
私がそんなことを考えていると、予想通りの相手が目の前に現れる。
「クリス!?」
私たちを追いかけて来たその相手を見た王女が思わず声を上げると、彼女が無事であったことに安堵したのかクリストフ卿の表情が一瞬緩む。
だがその緩んだのも束の間で、すぐにスラリと剣を抜いた彼が私の方へと視線を向けた。
「何者だ?」
“答えたら、流石に声でバレるわね”
私は顔が隠れるように先ほどまでより深く帽子を被る。
「素手か?」
残念ながらナイフすら持っていない私は長剣を持っているグランジュの王女の護衛騎士に素手で挑まなくてはならない。
それはいくらこちら側に人質がいたとしてもかなり不利なことだった。
また、私の正体が王太子妃だというのもまずい。
彼女のピンクブロンドの髪がよく映える。
「あとは……ん、来たわね」
馬の蹄の音が遠くに聞こえた私は、ラオから王女と降りる。
“剣が手に入れられなかったのは痛恨の痛手なのよね”
今度騎士の訓練に参加した時に余っている剣がないか聞いてみようかしら。
私がそんなことを考えていると、予想通りの相手が目の前に現れる。
「クリス!?」
私たちを追いかけて来たその相手を見た王女が思わず声を上げると、彼女が無事であったことに安堵したのかクリストフ卿の表情が一瞬緩む。
だがその緩んだのも束の間で、すぐにスラリと剣を抜いた彼が私の方へと視線を向けた。
「何者だ?」
“答えたら、流石に声でバレるわね”
私は顔が隠れるように先ほどまでより深く帽子を被る。
「素手か?」
残念ながらナイフすら持っていない私は長剣を持っているグランジュの王女の護衛騎士に素手で挑まなくてはならない。
それはいくらこちら側に人質がいたとしてもかなり不利なことだった。
また、私の正体が王太子妃だというのもまずい。