愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「ならばやはりクリストフ卿は妻の命を救ったことになるな」

 私を見下ろし微笑むアルドに、私からも微笑みを返す。

 
「でも、優先するのは王女だと直接言われるのは傷ついたわ」
「そ、それは」
「だから罰として、その言葉をもう一度、今度はちゃんと王女に伝えてください」

 私が笑いながらそう言うと、王女以外には無表情だと思っていたクリストフ卿の頬がじわりと赤く染まる。

 そしてそんな彼を見て、私たちは一歩先に王城へと戻ることにしたのでだった。
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