愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「そんな! モニカは無事なの!? すぐに行かなきゃ!」
「待て待て待て、お前だお前」
「は? ……あっ」

“先日って、この間のことなの”

 呆れたような顔のアルドにそう言われハッとする。
 確かにあの時の私は最善だけを見て行動をし、そしてその最善を手に入れた。

 何かを得るにはリスクも負わなければならず、だがリスクを怖がっていては何も得られない。
 だからからこそ――、ずっとそうやってしか生きるしかなかったからこその判断だったが、かなり危険な行為であったことも自覚していた。

“あの時のことは後悔はしていないけれど”

 でも、今の私はリヒテンベルンにいた頃とは違いアルドがいる。ミィナだっていてくれていたのに、それを相談もせず危険な賭けに出たことを今はちゃんと申し訳なく思っていたので、私はその反省の意も込めて口をつぐみ大人しく続きを聞く。

「表向きは賊だ、次同じことが起きないようセヴィーナに見張り……じゃなくて、護衛をつける」
「今見張りって言ったわよね!?」
「護衛」
「見張り」
「見張りも出来る護衛だ」
「やっぱり見張りじゃない!」
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