愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「そうですよ!! 私は王太子妃殿下の専属侍女になったんです」
「そうね」
「それなのになんで! 私は! 騎士の訓練着ばかり着せてるんですか!!」
慣れた手付きで着替えを手伝い、慣れた手付きで大判のハンカチを何枚か用意してくれたミィナがわざとらしいくらい大袈裟に嘆く。
「あ、じゃあこれからは私一人で着ようか?」
「そういうことを言ってるんじゃないんですよ! ドレスは!? 優雅なティータイムは!?」
「この服が私の戦闘衣装よ」
「可愛くないです!!」
“そ、そこまで!?”
確かに髪を華やかに結ったり、ドレスに合わせた宝飾品を選んだりということはまだ一度も頼んだことがない。
『着飾る楽しさ』というのは専属侍女の特権であり、また着飾った主人の美しさも一種のステータスらしいので、彼女の嘆きたくなる気持ちもわからなくはないが――
「仕方ないわよ、今から訓練なんだから」
「だからどうしてッ! 王太子妃がッ! 訓練を日課にしてるんですかぁッ!」
「それにほら、第一騎士団はエリートよ? 鍛えているから体躯もいいし、結婚相手には最適だわ」
「……確かに……」
「そうね」
「それなのになんで! 私は! 騎士の訓練着ばかり着せてるんですか!!」
慣れた手付きで着替えを手伝い、慣れた手付きで大判のハンカチを何枚か用意してくれたミィナがわざとらしいくらい大袈裟に嘆く。
「あ、じゃあこれからは私一人で着ようか?」
「そういうことを言ってるんじゃないんですよ! ドレスは!? 優雅なティータイムは!?」
「この服が私の戦闘衣装よ」
「可愛くないです!!」
“そ、そこまで!?”
確かに髪を華やかに結ったり、ドレスに合わせた宝飾品を選んだりということはまだ一度も頼んだことがない。
『着飾る楽しさ』というのは専属侍女の特権であり、また着飾った主人の美しさも一種のステータスらしいので、彼女の嘆きたくなる気持ちもわからなくはないが――
「仕方ないわよ、今から訓練なんだから」
「だからどうしてッ! 王太子妃がッ! 訓練を日課にしてるんですかぁッ!」
「それにほら、第一騎士団はエリートよ? 鍛えているから体躯もいいし、結婚相手には最適だわ」
「……確かに……」