愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!

27.屁理屈とは理屈を捏ねてナンボである

 王太子妃の専属護衛を決める選抜大会が開催される、という噂はすぐに広まった。
 もちろん多少の情報操作で平民中心に流した噂ではあるが、あまり評判のよくないリヒテンベルンから来た人質姫を初めて見られるかもしれないということもあり予想以上の速度で噂が広まった。
 しかも、今回の大会は私が祖国で実際に行った時と同じく誰でも参加が可能としている。


「それにしても、よく王太子殿下が許可をくださいましたね」
「いやぁ……」

“実際は説得に失敗したのよね”

 歯切れ悪く答えた私に何かを察したミィナが顔色を悪くする。

「あ、でも一応は許可されてるから! されてなかったら流石にこのタイミングで開催をしないわよ!?」
「そうですよね?」
「城下町で開催するって言ったらかなり渋い顔をしていたけど、一応理由は理解してくれて許可を出してくれたわ」

“ほとんどダレアが説得してくれたようなものなんだけど”

 だが効率がいいのは間違いない。
 城下町における第一騎士団の名誉を挽回するという意味では、やはり実際に彼らがいかに訓練を受けその高い能力を発揮できる存在なのかということを見せるのが効果的。
< 214 / 340 >

この作品をシェア

pagetop