愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「え、……え? い、いやぁぁぁあ!!」
そして満面の笑みでそう告げられ、私は思わず絶叫してしまったのだった。
◇◇◇
「ははは!」
選抜大会の予選が終わったその日の晩、相変わらず入り浸っているアルドの寝室で彼の笑い声が部屋に響く。
「初戦敗退、しかもやり合う前に場外って……!」
「ちょ、そこまで笑うことないんじゃない!?」
ベルモント卿から報告を受けたらしいアルドは、ベッドに仰向けになりながらお腹を抱えて笑っていた。
「いやぁ、大事な妻が怪我をさせるようなことがなくて良かったよ」
「そこ、怪我をするような、じゃないの?」
「俺の執務室から毎日何が見えてると思ってんだよ」
「私が訓練している姿、かしら」
愉快そうに笑っていたアルドが表情を消してそんなことを言い、途端に気まずくなった私が視線を外しながらそう答える。
“でも、慣れって怖いわね”
相変わらずアルドが私の閨へと足を運ぶことはないが、その代わり私がアルドの部屋に足を運ぶことが彼の中でも当たり前になっているらしく、追い返されることもないどころかノックをすると出迎えてさてくれるようになっていた。
そして満面の笑みでそう告げられ、私は思わず絶叫してしまったのだった。
◇◇◇
「ははは!」
選抜大会の予選が終わったその日の晩、相変わらず入り浸っているアルドの寝室で彼の笑い声が部屋に響く。
「初戦敗退、しかもやり合う前に場外って……!」
「ちょ、そこまで笑うことないんじゃない!?」
ベルモント卿から報告を受けたらしいアルドは、ベッドに仰向けになりながらお腹を抱えて笑っていた。
「いやぁ、大事な妻が怪我をさせるようなことがなくて良かったよ」
「そこ、怪我をするような、じゃないの?」
「俺の執務室から毎日何が見えてると思ってんだよ」
「私が訓練している姿、かしら」
愉快そうに笑っていたアルドが表情を消してそんなことを言い、途端に気まずくなった私が視線を外しながらそう答える。
“でも、慣れって怖いわね”
相変わらずアルドが私の閨へと足を運ぶことはないが、その代わり私がアルドの部屋に足を運ぶことが彼の中でも当たり前になっているらしく、追い返されることもないどころかノックをすると出迎えてさてくれるようになっていた。