愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
 ボフッと突然ベッドに押し倒され、気付けば私の口をアルドの唇が塞いでいる。

「ん、んん……っ!?」

 何度か彼と夜を過ごしたが、こんなに突然、そして早急にされたことはなく、私がただただ混乱しながら彼からの口付けを受けていると、少しだけ彼が顔を上げた。

 つつ、と私の唾液と彼の唾液が混じりアルドの口の端から糸を引く。

「……のか」
「アルド?」
「俺を選ぶと、俺とだけ恋するんじゃなかったのか」
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