愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
 ため息混じりにそう告げると、相変わらずまだ笑いを漏らしながらベルモント卿も頷いてくれる。


 そして、ここまで楽しそうに話すのだ。
 きっと今聞いた以上の何かも彼らの間にはあるのだろう。

“それを、ジークからも聞かなきゃね”

 誰よりも早く、ジークを見つけて。


 私はそう心に誓い、ジーク探しに戻ったのだった。
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