愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「私を捕まえて何かしらの情報を得るのが目的かしら……」
人質が重要な情報を持っているとは思えないが、私とアルドの仲が比較的友好だという情報が流れていたのならばその可能性もあるだろう。
しかしどこか釈然とせず、私はつい警戒をといて考え込んだ、その時だった。
「セヴィーナ!」
「え?」
強く手を引かれ、視界が何かに塞がれたと思ったら、ガキン、と大きな音がその場に響く。
何が起こったのかわからず、呆然とする私はパタパタと足元へ落ちる血痕に気付き愕然とした。
音が遠く、感覚が鈍い。
まるで時が止まったような錯覚をした、そんな私に聞こえてきたのは一際優しく温かいアルドの声。
「怪我はないか?」
「あ、アルド……?」
にこりと笑うアルドの体に無意識に腕を回し、手のひらがぬるりとした何かに触れる。
手に触れたソレは、ただただ赤く私の手のひらを一瞬で染め上げた。
「く!」
「うあぁぁ!」
「殿下!」
「ちっ、悪あがきしやがって……!」
色んな人の声が聞こえ、消える。
上手く理解が出来ない。
何が起きたの。
どういうことなの。
人質が重要な情報を持っているとは思えないが、私とアルドの仲が比較的友好だという情報が流れていたのならばその可能性もあるだろう。
しかしどこか釈然とせず、私はつい警戒をといて考え込んだ、その時だった。
「セヴィーナ!」
「え?」
強く手を引かれ、視界が何かに塞がれたと思ったら、ガキン、と大きな音がその場に響く。
何が起こったのかわからず、呆然とする私はパタパタと足元へ落ちる血痕に気付き愕然とした。
音が遠く、感覚が鈍い。
まるで時が止まったような錯覚をした、そんな私に聞こえてきたのは一際優しく温かいアルドの声。
「怪我はないか?」
「あ、アルド……?」
にこりと笑うアルドの体に無意識に腕を回し、手のひらがぬるりとした何かに触れる。
手に触れたソレは、ただただ赤く私の手のひらを一瞬で染め上げた。
「く!」
「うあぁぁ!」
「殿下!」
「ちっ、悪あがきしやがって……!」
色んな人の声が聞こえ、消える。
上手く理解が出来ない。
何が起きたの。
どういうことなの。