愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「よし、問題なさそうだ」
あっさりとそう言い切ったアルドをじとっと睨み、そしてすぐに視線を彼の怪我へと向ける。
彼自身も元々鍛え訓練を積んでいたからか、寸前で刃先をいなしていたらしく思ったよりも傷は浅かった。
“よかった、血は止まりつつあるわね”
私はそっとポケットからモニカと一緒に刺繍し呪物扱いされ渡しそびれていたハンカチを取り出し傷へ巻く。
「血がつくぞ?」
「刺繍した時に私の血が染み込んでるから問題ないわ」
「も、問題ないのか、それは……!?」
若干引いた様子のアルドにムッとするが、それと同時にいつもと同じような調子のアルドにホッとする。
そんな私の様子に気付いたのか、苦笑したアルドは怪我をしていない方の手で私の頭をそっと撫でた。
「俺はお前がダメじゃないことを知ってる」
「え?」
「さっき言ってたろ。確かに無鉄砲だし考えなしだが、それが突破口にだってなっている」
“アルド……”
「でも、そのせいで怪我を」
あっさりとそう言い切ったアルドをじとっと睨み、そしてすぐに視線を彼の怪我へと向ける。
彼自身も元々鍛え訓練を積んでいたからか、寸前で刃先をいなしていたらしく思ったよりも傷は浅かった。
“よかった、血は止まりつつあるわね”
私はそっとポケットからモニカと一緒に刺繍し呪物扱いされ渡しそびれていたハンカチを取り出し傷へ巻く。
「血がつくぞ?」
「刺繍した時に私の血が染み込んでるから問題ないわ」
「も、問題ないのか、それは……!?」
若干引いた様子のアルドにムッとするが、それと同時にいつもと同じような調子のアルドにホッとする。
そんな私の様子に気付いたのか、苦笑したアルドは怪我をしていない方の手で私の頭をそっと撫でた。
「俺はお前がダメじゃないことを知ってる」
「え?」
「さっき言ってたろ。確かに無鉄砲だし考えなしだが、それが突破口にだってなっている」
“アルド……”
「でも、そのせいで怪我を」