愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
私がすがりついていた門番を後ろから殴り気絶させたジークが苦笑混じりに、門の近くでその様子を辟易として見ていた門番を隙をついて剣の柄で突き倒したランドルが呆れ顔で声をかける。
「私の作戦が上手く行けば穏便に目的地までたどり着いたのに!」
「いえ、どう考えても失敗でしたって」
はぁ、とため息を吐いたランドルが私の前にしゃがみ込みハンカチを渡してくれる。
顔を隠す為と涙を偽装する為に砂まみれにした顔を拭けということなのだろう。
その好意に素直に甘えることにした私がハンカチを受け取り、そしてそのハンカチの刺繍に既視感を覚える。
「……この刺繍の絵柄って」
「べ、別に殿下が持っていた絵柄を真似た訳じゃねぇぞ!?」
「え」
「ただ俺もその絵柄がいいなと思ったからであってだな」
「それ、真似たって言わねぇ?」
「そ、そそっ、そんなこと……!」
はぁ? と首を傾げたジークに顔を赤らめるランドル。
“もしかしてランドルってめちゃくちゃアルドのことが好きなんじゃ……”
「私の作戦が上手く行けば穏便に目的地までたどり着いたのに!」
「いえ、どう考えても失敗でしたって」
はぁ、とため息を吐いたランドルが私の前にしゃがみ込みハンカチを渡してくれる。
顔を隠す為と涙を偽装する為に砂まみれにした顔を拭けということなのだろう。
その好意に素直に甘えることにした私がハンカチを受け取り、そしてそのハンカチの刺繍に既視感を覚える。
「……この刺繍の絵柄って」
「べ、別に殿下が持っていた絵柄を真似た訳じゃねぇぞ!?」
「え」
「ただ俺もその絵柄がいいなと思ったからであってだな」
「それ、真似たって言わねぇ?」
「そ、そそっ、そんなこと……!」
はぁ? と首を傾げたジークに顔を赤らめるランドル。
“もしかしてランドルってめちゃくちゃアルドのことが好きなんじゃ……”