愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
敬愛していた王太子殿下が突然人質妻を娶り、しかもその人質が人質の役割を果たさず騎士団という自分の領域に飛び込んできたら苛立つだろう。
“あと、もしかして女の人が苦手なのかも”
ミィナにもジークにも真っ赤になってあわあわとしている姿を見ると、女性に慣れていないことが明らかだ。
「そういえばアルドって清廉潔白だったのよね」
職務に忠実で王太子として誰よりも前線で戦い、いつか来るだろう政略結婚のためにどの令嬢にも見向きもしなかった。
それは最初の政略結婚として人質が嫁いで来た時もそうで、白い結婚を望んだほど。
“しかも相手を気遣いフォローするいい上司タイプなのよね”
ランドルがやたらと私に辛辣なのはてっきり嫌われているからかと思っていたのだが、どうやらどちらかと言えばライバル視されているからなのかもしれない。
「というか、穏便に入らなくてどうするのよ」
折角私が体を張ったのに、とつい文句を言うとジークがニタリと口角を上げる。
「穏便に済ます必要ってあったかって話じゃないですかね?」
「そんなの」
ある、と断言しようとしてピタリと止まる。
「ない、わね?」
“あと、もしかして女の人が苦手なのかも”
ミィナにもジークにも真っ赤になってあわあわとしている姿を見ると、女性に慣れていないことが明らかだ。
「そういえばアルドって清廉潔白だったのよね」
職務に忠実で王太子として誰よりも前線で戦い、いつか来るだろう政略結婚のためにどの令嬢にも見向きもしなかった。
それは最初の政略結婚として人質が嫁いで来た時もそうで、白い結婚を望んだほど。
“しかも相手を気遣いフォローするいい上司タイプなのよね”
ランドルがやたらと私に辛辣なのはてっきり嫌われているからかと思っていたのだが、どうやらどちらかと言えばライバル視されているからなのかもしれない。
「というか、穏便に入らなくてどうするのよ」
折角私が体を張ったのに、とつい文句を言うとジークがニタリと口角を上げる。
「穏便に済ます必要ってあったかって話じゃないですかね?」
「そんなの」
ある、と断言しようとしてピタリと止まる。
「ない、わね?」