愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
39.今こそ心の決別を
「な、お前はこの間あの人質の護衛になった……! おい、誰か!!」
「姫様、走りますよ」
「だ、ダメよランドルがっ!」
愕然とした私の腕を引きその場にランドルを置いて走り去ろうとするジーク。
この判断は正しい。
ランドルは選抜大会を勝ち上がる実力を持っているし、油断している相手一人なんて簡単だろう。
それなのに彼をここに置いていくということは、この騒ぎを聞きつけた他の人間を全て相手にすることを意味していた。
“私たちが少しでも安全に両陛下を探せるように!”
「違う、ダメ、こんなの、離して、離してジーク!」
「あいつの覚悟を無駄にするな!」
私の命令は聞かず私の腕を掴んでそのまま城内を走るジークを思い切り振り解く。
「……覚悟? 私はそんな覚悟をさせるためにここへ連れて来た訳じゃないのよ!」
「姫様ッ!」
必死に止めるジークを振り切り、私がランドルの元へと戻ると丁度騒ぎを聞きつけたリヒテンベルン兵たちも駆けつけたタイミングだった。
「そこまでです、流石に一人くらいは私がわかるといいのだけど!」
そう言いながらローブをバサリと脱ぐと、その場が一瞬で静まった。
「姫様、走りますよ」
「だ、ダメよランドルがっ!」
愕然とした私の腕を引きその場にランドルを置いて走り去ろうとするジーク。
この判断は正しい。
ランドルは選抜大会を勝ち上がる実力を持っているし、油断している相手一人なんて簡単だろう。
それなのに彼をここに置いていくということは、この騒ぎを聞きつけた他の人間を全て相手にすることを意味していた。
“私たちが少しでも安全に両陛下を探せるように!”
「違う、ダメ、こんなの、離して、離してジーク!」
「あいつの覚悟を無駄にするな!」
私の命令は聞かず私の腕を掴んでそのまま城内を走るジークを思い切り振り解く。
「……覚悟? 私はそんな覚悟をさせるためにここへ連れて来た訳じゃないのよ!」
「姫様ッ!」
必死に止めるジークを振り切り、私がランドルの元へと戻ると丁度騒ぎを聞きつけたリヒテンベルン兵たちも駆けつけたタイミングだった。
「そこまでです、流石に一人くらいは私がわかるといいのだけど!」
そう言いながらローブをバサリと脱ぐと、その場が一瞬で静まった。