愛されていない人質妻ですが、敵国王子の溺愛を所望中!
「私はセヴィーナ・グランジュ。グランジュに嫁いだリヒテンベルン第三王女よ!」
「なんで人質姫がこんなところに!?」
「な、何故戻ってっ」
“ここでこれ以上騒ぐのはまずいわね”
「危険だ、姫様!」
慌てるジークに内心謝罪しつつ、リヒテンベルン兵たちをまっすぐ見つめる。
「貴方たちの指揮官に会わせなさい」
「なにを」
「聞こえなかったのかしら。嫁いだとしても血は変わらないと思うのだけれど」
いつもより声色低くそう言うと、そんな私の圧に口ごもった兵士たちが互いの顔を見合わせた。
冷遇されていたことは知っていても、同じ態度を自分たちまでもがとってもいいのかがわからなかったのだろう。
万一許されなかった場合、王族への侮辱罪が成立してしまう。
どう接するべか迷う彼らに段々と焦れた私がもう一度命令するべく口を開いた時、その私の声を遮るように私の名が呼ばれた。
「何故お前がここにいるんだ!!」
「え……、お、お父さ……、きゃっ」
「姫様!」
「妃殿下!」
それと同時にバチンと鋭い音がその場に響き、私は突然頬を思い切り叩かれた勢いでその場に倒れ込む。
「大丈夫ですか!」
「なんで人質姫がこんなところに!?」
「な、何故戻ってっ」
“ここでこれ以上騒ぐのはまずいわね”
「危険だ、姫様!」
慌てるジークに内心謝罪しつつ、リヒテンベルン兵たちをまっすぐ見つめる。
「貴方たちの指揮官に会わせなさい」
「なにを」
「聞こえなかったのかしら。嫁いだとしても血は変わらないと思うのだけれど」
いつもより声色低くそう言うと、そんな私の圧に口ごもった兵士たちが互いの顔を見合わせた。
冷遇されていたことは知っていても、同じ態度を自分たちまでもがとってもいいのかがわからなかったのだろう。
万一許されなかった場合、王族への侮辱罪が成立してしまう。
どう接するべか迷う彼らに段々と焦れた私がもう一度命令するべく口を開いた時、その私の声を遮るように私の名が呼ばれた。
「何故お前がここにいるんだ!!」
「え……、お、お父さ……、きゃっ」
「姫様!」
「妃殿下!」
それと同時にバチンと鋭い音がその場に響き、私は突然頬を思い切り叩かれた勢いでその場に倒れ込む。
「大丈夫ですか!」